箕面のサクラ


箕面は桜の名所

箕面はモミジ。サクラはないと思っている人が多いけれど、どうしてどうして、箕面は桜の名所でもある。


箕面の桜は原種の桜

箕面の山の桜は、主にヤマザクラ(山桜)エドヒガン(江戸彼岸)。原種の桜である。
普通に町に植えられている桜はソメイヨシノ(染井吉野)。これは、江戸時代の後期に江戸郊外の染井村(現在の駒込)の植木職人川嶋権兵が、大島桜と江戸彼岸を交配して人工的に作った品種である。だから、花は大きく派手で成長も早いが、寿命は短く40〜50年である。
箕面の桜は人の手が加わっていない原種の桜である。
山桜と江戸彼岸

原種の桜である山桜と江戸彼岸は、花は小ぶりだが生命力は強く、樹齢数百年に及ぶ古木さえある。(全国にある名木は、ほとんどが江戸彼岸である)
山桜も江戸彼岸のどちらも4月初旬に花が咲く。両者の簡単な見分け方は、
花期 葉と花 樹皮 花の色
江戸彼岸 最も早い 葉が出る前に花が咲く 桜色から次第に白色に
山桜 少し遅れ 赤っぽい葉と花が同時 横目が目立つ
日本の原風景

箕面の山桜・江戸彼岸は、おおむね山の斜面に咲いており、しばしば群生しているが、それでも、緑葉樹に交じって生えており、見渡す限り桜ばかりと云う所はない。従って、桜の木の下に毛氈を敷いて酒を酌み交わすような場所は少ない。しかし、これが日本の原風景なのである。


大日駐車場の西斜面 杉の茶屋の東斜面
滝道の落合橋対岸 瀧安寺対岸の旅館加古川の脇付近
ドライブウェイの地獄谷付近 才が原林道の脇☆
教学の森の山中 教学の森の中のハート広場
政の茶屋の裏手 政の茶屋から高山への道
高山から止々呂美へ下る道から☆ 箕面駅を降りると、もう桜・桜。心が浮立つ。


ウワミズザクラとイヌザクラ

江戸彼岸や山桜が終わった後に咲くのが、ウワミズザクラ(上溝桜)とイヌザクラ(犬桜)。これらは「サクラ属」の中の亜属で、小さい花をブラシのように房状につける。
両者の簡単な見分け方は、
花期 花序の中の花の数 花序の下に葉
上溝桜 山桜の終わった後 多い ある
犬桜 上溝桜の1週間後 少い ない
<註>上溝桜の古名は「ははか」。何とゆかしい名前。
<註>犬桜の「イヌ」は「否」の意味。古川柳に「折る人のすねに噛みつけ犬桜」「折る人があるなら噛みつけ犬桜」


ウワミズザクラ(上溝桜) イヌザクラ(犬桜)


カスミザクラ

こうした桜がすべて終わった4月末頃、箕面では点々とカスミザクラ(霞桜)が咲く。遠くからみると、まるで霞がかかったような小さな花である。


ドライブウェイのヘヤピンカーブの脇△ 如意谷の才川の岸



ソメイヨシノ

箕面では、こうした原種の桜が中心であるが、人口交配種であるソメイヨシノ(染井吉野)も植えられている。


瀧安寺境内 桜広場
教学の森 西江寺境内△


写真撮影は、☆はK.Asaba、△はK.Saitou、その他は箕面観光ボランティアガイドのA.Kubo、N.Kanataniによる。