キャンドル・ロードの思い出

箕面市では、毎年7月下旬~8月上旬のひと日、「箕面まつり」を行う。その日行われる多くの催しの一つとして滝道に「キャンドル・ロード」が作られる。これは、箕面の滝道に、ゆらめく蝋燭の灯りを連ねて、夏の夜の風情を、そぞろ盛り上げようと云うもので、平成12年(2000年)から始まった。

それ以前は、その日、箕面スパーガーデンでステージイペントが行われるだけであったので、大滝や滝道全体にも集客をはかろうと、観光協会や商工会議所によって「サマーフェスタ箕面公園実行委員会」が組織され、このキャンドルロードが行われるようになったと云う。

蝋燭の設置場所は、①スパーガーデン入口、②一の橋、③瀧安寺広場、④修業の古場、⑤箕面滝前、で、点灯時間は午後7時~9時である。この蝋燭の設置・点灯・消灯・片づけに当たるボランティア要員は、市民の中から募集された。蝋燭の数は最初の年の平成12年は、その年の西暦に合わせて2000本であったが、次第に増えていって、今では数千本になっている。

当初の頃は、箕面観光ボランティアガイドのMVクラブでは、その中の数人の有志が、個人的に応募して参加していた。しかし、市役所・観光協会の方から、ガイドは出来る限り応募してくれとの要請があり、これに応えて、ガイドの応募者は逐年増え、半数以上のガイドがボランティアとして参加していった。その人数は、
  

平成14年(2002)7月28日= 8名 平成15年(2003)7月27日=10名 平成16年(2004)8月 1日=17名
平成17年(2005)7月30日=25名 平成18年(2006)7月30日=24名 平成19年(2007)7月29日=31名
平成20年(2008)7月27日=32名

このような流れをうけて、平成20年(2008)、MVクラブでは、MVクラブ10周年記念事業の一つとして、キャンドル・ロードには個人参加ではなく、団体として協力し、瀧安寺前広場のキャンドルの設計・企画から運営までを、MVクラブ単独で担当することを市に申し出て了承を受けた。この年から瀧安寺前広場のキャンドルはMVクラブにおいて行うことになった。

このようにして平成20 年度、32名のガイドたちによって描かれた瀧安寺前広場のキャンドルは、山門前の階段を箕面の大滝になぞらえて箕面川の流れを描き出し、それに紅葉の葉を添えて、シンプルな中にも気品があった。

それ以後、毎年の様子を、以下に記録しておく。
僅か2時間の点灯時間のために注ぎ込んだ多くのガイドたちの、一途な思いの熱さを残しておくために・・・

直線上に配置

平成20年(2008)年度・・7月26日(日)


今年から、観光ボランティアガイドは団体として参加することになり、瀧安寺前広場やその周辺のキャンドルについては、設計から始まって終始一貫して単独で担当することになった。

出動ガイド32名によって描かれた蝋燭の灯りは、山門前の階段から、2008年に向かって滝水となって流れ下る。辺りには紅葉が散っていた。
その時のことを書き残したUガイドの手記によると、・・・
『・・・「うわーきれい!」アベックで来た彼女の第一声。また子供たちが「もみじが描いたーる!」「2008や!」と歓声や感嘆の声。訪れたお客様から、そこらじゅうで何度となく声があがった。灯りをバックにシャッター切る親子、いろいろな角度や方向からアングルを決めて何枚も撮るカメラマニア、奇声を上げながらVサインする少女達。ローソクの薄明かりの中の笑顔、訪れた一人一人に楽しい思い出が残せた。』

このデザインに至った経緯についても、次のように書き残されている。
『当初は、箕面を代表するものを基調にしようと話合い、「箕面市章」「もみじ」「ささゆり」の基本図形を作成した。ところが、全体としてバランスが取れない平面的なものになってしまった。そこで何度か瀧安寺前広場に出向くなかで、山門前の階段を滝に見立てて、大滝を取り入れることで立体的・流動的なイメージが出来、再作図した。しかし、試験点灯をすると、「箕面市章」は簡単なようで実際は市章に見えにくく、「ささゆり」も図案化が出来にくいことが分かった。元の計画では、滝から流れる川はゆったりと曲がるように考えていたが、川を直線で扇形に拡げ、その先に「2008」を強調することで。力強く全体のバランスが取れたものとなった。』

ガイドたちは、創立十周年記念に作ったTシャツ(オレンジ色・白色)を着用した。

2008年に流れ下る滝の水
もみじ もみじ 鳳凰閣 消灯前・ガイド集合
準備中:蝋燭は滝道や参道はもとより、紅葉橋から対岸の筆塚公園・化石谷階段にまで並べられた。


直線上に配置

平成21年(2009)年度・・7月27日(日)


今年も、瀧安寺広場のキャンドルは箕面観光ボランティアガイドが一括して担当した。

図柄は昨年の硬質なものから転じて、お伽の国のような軟らかいものになった。滝水は曲線化され、紅葉や星に加わって、トンボも蝶もやって来た。山門前の階段には大きく「09」と書かれた。

川水 トンボ モミジ
09の年号 もみじ 山門
滝道 準備中 準備中 準備中


直線上に配置

平成22年(2010)年度・・8月1日(日)


2010年8月1日(日)晴れ。 箕面まつりの最後を飾る「箕面滝道キャンドルロード」では、滝道の観光ホテル前、瀧安寺前広場付近、箕面大滝の3ヶ所に合計約5,000本のキャンドルを灯すが、今年も我々箕面観光ボランティアガイドが瀧安寺前広場付近を担当し、デザイン、設置、点灯、管理、消灯の一切がまかされた。
 午後4時に幹事役が集合し、下絵の準備。5時には総勢
30名が集合。まず、腹ごしらえの後に設置開始。午後7時点灯。今年のテーマは「箕面大滝で修行する<滝の道ゆずる>君」。この<滝の道ゆずる>君は、箕面市の公式キャラクターで、箕面市が大阪府下第一のゆずの生産地であることによる。
 キャンドルは参道や滝道にも設置される。キャンドルはプラスチックのカップに1/3ほど水を入れ、その上にキャンドルを浮かべて点火する。すると灯りがゆらゆら揺れるので、幽玄の世界をかもしだす。浴衣姿の女性や子供の、「わー、きれい」「すてき」という声が聞こえる。宝塚から来ました、という女性もいた。
 デザインは、山門前の石段を滝に見立てて、そこから流れ落ちる川水を描き、その中に「ゆずる君」が立ち、周りに紅葉と星が散っている姿であるが、夜に入って周囲が暗くなると、ベニヤ板に彩色して作った「ゆずる君」が見えなくなってしまったのは失敗だった。蝋燭の明かりで、ぼんやりとでも見えると思っていたのに、想定外であった。

午後9時消灯。

「滝の道ゆずる君」 川の流れは2010の年号へ 階段の上から 星の光
紅葉の葉 参道 山門 鳳凰閣
準備中(ガイド集合) 準備中(ライン引き) 準備中(蝋燭投下) キャンドル点火


直線上に配置

平成23年(2011)年度・・7月31日(日)


2011年7月31日(日)晴れ。箕面市の夏祭りの最後を飾るイベント「箕面滝道キャンドルロード2011」では、。MVクラブが今年も瀧安寺前広場と周辺の企画運営をまかされている。今年のテーマは箕面大滝、滝の道ゆずる、モミジーヌと紅葉である。ガイド29名が約2,500本のキャンドルに点灯した。

午後4時から準備開始。デザインに従い、下絵をロープと釘で書いていき、その上にキャンドルの白いカップを置いてゆく。位置が決まったものから、カップに1/3くらいずつ水を入れる。水を入れた後に一個ずつ丸い蝋燭を浮かべていく。水に浮かべるとキャンドルがユラユラ揺れて幽玄な世界を演出してくれる。午後6時、準備が終わったところで弁当タイム。

去年うまくゆかなかった「滝の道ゆずる」は、三段の台の上に行灯風に設置した。

午後7時、キャンドルに点灯開始。昆虫館前から山本コーヒーまでの滝道と参道、広場が闇の中に浮かび上がる。この時を待っていた市民からワーッと声があがる。「ゆずる君だ!」{モミジーヌだ!」「太陽だ!」「滝だ!」「きれい!」と歓声があちこちであがった。今年は昨年よりも人出が多い感じだった。

午後9時、予定通り事故もなく終了できた。ここ数日、午後に夕立ちがあったので心配していたが、今日はなくてよかった。後片付けをしていたら顔にあたるものが・・。午後10時半ころから矢張り夕立がきた!今日は運がよかった。日頃の行いがよかったのだろう。みなさま、今年も来てくれてありがとう。


箕面大滝2011 もみじ 滝の道ゆずる
モミジーヌ 中央タワー 滝道 瀧安寺鳳凰閣
箕面大滝 滝見橋 準備 準備


直線上に配置

平成24年(2012)年度・・7月29日(日)


晴れ。 箕面祭りの最後を飾る「箕面滝道キャンドルロード2012」が開催された。我々31名のボランティアガイドは例年通り瀧安寺前広場の企画・運営・管理をまかされた。今年は「滝ノ道ゆずる」と「モミジーヌ」を中心に幻想的な空間を演出した。

また新しい試みとして、一般の方にお願い事を紙に書いてもらい、それを滝道のキャンドルに巻き付けて皆さんに見ていただくようにした。たくさんの親子連れ、ヤングカップルの方々が思い思いのお願いを書いてくれた。東日本大震災復興支援スローガン「絆」、オリンピックがんばれ日本!、家庭円満、病気退散などいろいろのお願いがあった。

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今年は箕面スパーガーデンのイベントが無かったので、例年よりも人出があった。

滝の道ゆずる モミジーヌ もみじ 年号
広場の賑わい 瀧安寺瑞雲橋 キャンド・カップに願いを


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平成25年(2013)年度・・7月28日(日)


 くもり一時小雨。今年は「箕面の自然」をテーマにした。年号2013から滝と箕面川が流れ、川には赤い紅葉が一枚ただよう。横に川の渦(波紋)と緑の小もみじを描いた。川下には箕面市のゆるキャラ、滝の道ゆずるとモミジーヌの立体キャンドルを置き、一番下手にピンクのハートマークを描いた。この前でカップルや家族に写真を撮ってもらうつもりだったが、意図が伝わったかどうか。

新しい試みとして、キャンドル・カップに赤色のセロファン紙を巻いたものをも用いたので、従来になくカラフルな灯りになった。

 準備中に小雨が降ってきたので心配したが、直前に止んだのでなんとか点灯することができた。市長はじめたくさんのお客様に来ていただいたが、事故もなく無事に終了できて幸いである。

全景 全景 大もみじ 小もみじ
滝の道ゆずる モミジーヌ 箕面大滝前の人出


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平成26年(2014)年度・・7月19日(土)


 キャンドル・ロードは、昨年までは「箕面まつり」の最終イベントの一つとして、市民パレードなどと同じ日に行われていたが、今年からは、多くの市民に見てもらうために約1週間前に単独開催することになった。しかし、明け切らぬ梅雨のために朝から雨模様。3時頃も小雨だったが、それでも決行することになった。

 今年も瀧安寺前広場(山本コーヒーから昆虫館前の滝道を含む)のキャンドルはデザインから設置・撤収までMVGが担当した。委員会のメンバーは3時頃からグランドに下絵を書いたりし始めたが雨は止まない。午後5時、MVGメンバー
41名が集合。下絵に沿って約3000本のキャンドルを並べ始めた。この頃には雨も小止みになってきて、なんとか希望のもてる状況となった。午後7時,点灯開始した頃に雨はあがった。まわりはまだ薄暗いが、観客からは「ワアーきれい!」と歓声があがった。

今年のテーマは「箕面の自然」。今年の年号の「2014」から流れ落ちる滝と箕面川と渦。川面に浮かぶ紅葉、周辺には緑のモミジと桜、星の光を描いた。また一番川下には大きなハートを配置、ここでカップルが記念撮影できるようにした。行灯風の「滝の道ゆずる」と「モミジーヌ」はLEDのバックライトで浮出された。「ゆずる」の横には「子ゆずる」が描かれた。新しい試みとして、山門石段の脇の壁面には「みのお」の文字を蝋燭で描き出した。キャンドル・カップのカラーも赤だけでなくも緑色・青色・黄色・桃色が加わり、従来よりも数段に「凝った」デザインである。

まわりが暗くなってくると、見物客が滝道を次から次と上ってきた。すごい人数である。感覚的には例年の3倍くらいの印象で、約6300人と推定された。全景の写真を撮ろうと思っても、お客様が多いので良い場所が確保できない程であった。そして、感嘆、賞賛の言葉と笑顔をたくさん頂いた。午後9時まで雨も降らず、また事故もなく無事終了することができた。午後10時撤収完了。待機していた消防署員や看護師さんの出番もなくて良かった


山門階段から流れ落ちる滝水は、渦を描き、紅葉の葉を走らせ、星の光を浮かべ、そして愛のハートへと流れ下ってゆく。
瑞雲橋 滝の道ゆずる君 「ゆずる」にも子供が出来た
薄暮の中の準備中 ・準備は白熱

直線上に配置

平成27年(2015)年度・・7月18日(土)


今年の「みのおキャンドルロード2015」は台風11号接近による大雨の為、箕面公園では土砂災害警戒情報発令と河川の増水により、残念ながら中止となりました。

MVCでは5月より実行委員会を立ち上げ周到に企画と準備を進めてきました。当日も中止の発令間際まで器材の準備等に余念がありませんでしたが、中止の発令で委員全員ガッカリです。来年は今年の分も合わせて盛大に取り組みたいと考えています。


                        直線上に配置 

平成28年(2016)年度・・7月23日(土)


 2016年7月23日(土)晴れ。箕面公園では「サマー・フェスタ箕面公園2016 ~火と水と光の祭典~」が開催されている。この日は箕面駅から箕面大滝までの要所を6000本のキャンドルで彩る人気イベント「みのおキャンドルロード」が開催された。

 我々MVGは前回同様に瀧安寺前広場の企画運営をまかされ、41名のガイドが参加した。  昨年が雨天中止だったうえに、この6月、7月のMVG主催オープンハイクも雨天中止になって、溜りに溜まっていたエネルギーをガイドの面々はここに爆発させた!  

 今年のコンセプトは、2016年号から流れ落ちる箕面大滝、それに続く箕面川と川面に浮かぶモミジ葉やサクラ花、周囲にもモミジを配置した。下流には滝の道ゆずるとモミジーヌの行灯とピンクのハートを配置。また正面壁面には
「みのおフェスタ31」(今回で31回目)のキャンドル文字をあしらった。

 15:00幹事が集合し、準備開始。ロープと棒で下絵を描いたり、ゆずるの行灯を組み立てたりしているうちに、17:00参加ガイドが全員集合した。担当グループごとに持ち場に分かれ、キャンドルケースの設置、キャンドルの投入作業などを行った。18:00準備作業が完了し、弁当をいただく。18:45からいよいよ点灯開始。開始時間の19時には全部のキャンドルが点灯しているようにする。

 この頃になるとお客様が徐々に増えてきた。子供連れ、夫婦連れ、外国人グループなど次々に訪れては

「キレイ!キレイ」「wow! Fantastic!」「Amazing!」「*+?&#(中国語)」「$%=?@(タイ語)

を連発していた。 とにかく大変なお客様だった。

 21:00消灯。事故もなく無事に終了した。今夜の人出は7,000人だったそうだ。見にきていただいたお客様に感謝申し上げます。今年見損ねた人たちは来年必ず来て下さい。待っています。
 


設計図 準備中


直線上に配置

平成29年(2017)年度・・7月22日(土)

 2017年7月22日(土)晴れ。 箕面公園では「みのおキャンドルロード 一年に一夜だけの幻想的な夢の世界」が開催された。この日は箕面駅から箕面大滝までの要所を多数のキャンドルで彩る人気イベントである。
 我々MVGは例年同様に瀧安寺前広場の企画・装飾をまかされ、38名のガイドが参加した。  今年は明治の森・箕面国定公園指定50周年に当たり、参加ガイド全員気合が入った。  

スケジュール・役割分担 配置図
 
デザイン図





直線上に配置

令和元年(2019)年度・・7月20日(土)


 令和になっての初めての「キャンドルロード」。しかも昨年は9月の台風の影響で中止でしたので2年ぶりの開催。今年こそは絶対に開催をとのガイドの皆さんの強い思いが通じたのか、数日来不安定だったお天気もこの日は何とか持ちそうです。

キャンドルロード初登場の19期20期生も含めた37名が参加して、さあ準備開始!MVGの受け持ち範囲は昆虫館から山本珈琲までの滝道のキャンドルと瀧安寺広場のキャンドルでの装飾。令和元年の年号、滝川、ハート、モミジ、星などの図形をカラフルなキャンドルで装飾。又ゆずるやモミジーヌや様々なデザインの行灯そしてカラフルな風車も用意しました。又今年は令和元年の漢字の灯りに初めて「キャンドルタイプのLED」を採用。昨年の中止の憂さを晴らすかのように皆さん熱心に手際よく作業を進め着火の1時間前の6時頃には準備完了。後は皆さんでお弁当を食べながら着火の時間を待ちました。

7時になっていよいよ着火。全員でライターを持って昆虫館から山本珈琲までの滝道と瀧安寺広場の図形のキャンドルに着火開始。丁度夕暮れの陽も落ち始め、色鮮やかなキャンドルが暗闇の中に美しく浮き上がりだしました。LEDの令和元年も大成功。

ライトアップされた大滝目指して歩いていた多くのお客様も足を止めて「きれい!」。あちらこちらで写真撮影が始まりました。きっとインスタ映えのする美しい写真が沢山撮れたことでしょう。

9時になって一斉に消灯。こちらも手際よくスムースに終了。心配していた雨も降らず又事故もなく無事終了。キャンドルロード初経験の19期生と20期生もこれでしっかりやり方覚えました。

お客様、来年も又必ず見に来てください。


令和4年(2022)年度・・7月30日(土)
※7月28日からの「大阪府医療非常事態宣言」のため、急遽スタッフも65歳未満(12名出動)に限定し実施することになりました。
瀧安寺広場のレイアウトも変更、又滝道の範囲も縮小して、キャンドルの準備をスタート。
7時点灯と同時に、瀧安寺広場のキャンドル会場には沢山のお客様が来られ、キャンドルをバックに写真撮影など大盛況のうち無事終了しました。
来年は是非全員でやりたいですね。