箕面の文芸 |
夫木集 ・雨しのぐみのおの里の柴垣にすだち始むる鶯の声 (西行法師) ・苔ふかきみのおの山の杉の戸にただ声きけば鹿の音ばかり (鴨長明) (箕面川取水堰の上の標識の裏にも、この歌が記されている) ・みのおやま雲かけつくる峯の庵は松のひびきも手枕のした (鴨長明) (箕面ダムの側に、この句の句碑がある) ・ながれてと思うこころの深きにぞなにかみのおの滝となるべき (後九条) ・わすれては雨かとぞ思う滝の音にみのおの山の名をやからまし (津守国助) ・君が代は富突山のさきざきにさかえぞまさるよろづ代までに (兼隆) ..略..この富はふるき事にて、和歌に富突山・とみつきやまと詠じたる事あり。 |
富の由来(箕面寺別当・岩本坊の覚書) ・当たっても減る銭かねの富でなしみのおひさきを守る神札(みふだ)ぞ |
拾遺集 ・水の面にふかく浅くも見ゆるかな紅葉の色やふち瀬なるらん (みつね) |
新古今集 ・散りかかる紅葉の色はふかけれどわたればにごる山川の水 (二条院讃岐) (註)藪かかる・・・で始まっている資料もある |
千載和歌集 みのお寺にこもりて出で侍る暁のおもしろく侍りければ ・木の間より有明の月のおくらずばひとりや山の峯を出でまし (仁和寺法親王覚性) |
大宮寺御詠歌 ・みのくもりやがて晴ゆく医王山願う心は仏なるらん |
頼山陽の詩碑(滝の前) 萬珠濺沫砕秋暉 萬珠沫ヲ濺イデ 秋暉ヲ砕キ 仰視懸泉劃翠微 懸泉ヲ仰ギ見レバ 翠微ヲ劃ス 山風作意争気勢 山風ハ作意シテ 気勢ヲ争イ 横吹紅葉萬前飛 紅葉ハ横ニ吹イテ 萬前ニ飛ブ
|
頼山陽遺稿詩 送母西帰。観楓箕面。坂上・大塚二氏為導
母ヲ送リ西帰ス。箕面ニ観楓。坂上・大塚二氏導ヲ為ス。 紅楓相映酔慈顔 紅楓相映ジテ滋顔ヲ酔ワシム
侍得帰輿未直帰 帰輿ニ侍シ得テ未ダ直グニ帰ラズ 今歳此遊堪圧尾 今歳此ノ遊尾ヲ圧スルニ耐エタリ 携来佳酒看佳山 佳酒ヲ携エ来タリテ佳山ヲ看ル
|
山口誓子の句碑(勝尾寺境内) ・ひぐらしが下界に鳴けり皇子(みこ)のため
|
勝尾寺境内のその他の句碑 ・朝霧浄土夕霧浄土 葛咲ける (水原秋桜子) ・ゆるやかにきて人とあふ蛍の夜 (桂信子) ・開成皇子のあとを今しも月わたる (松瀬青々) ・万緑に見返る虚空観世音 (小沢芦青) |
後藤夜半の句碑(滝の前) ・瀧の上に水現れて落ちにけり
|
野村泊月の句碑(滝道の昆虫館東山際) ・椎の花八重立つ雲の如くにも
|
石州浜田散人 岸井庸充俊実の碑 (滝安寺境内) 箕面山讃歌 ・箕山欝崢○ 瀑水夏生冷 更疑控銀河 偏濺千刃嶺 (○は山偏に栄) ・雲か煙 箕面の山の滝つ瀬は 天の河原の水や落つらん
|
種田山頭火の句碑 (西江寺境内 平成18年10月建立) ・みな洋服で私一人が法衣で 雪がふるふる
|
入江来布の句碑 (西江寺対談石の脇) ・三千の 世界は須叟に けさの秋
|
西江寺南参道脇の句碑群
・ほととぎす 箕面ここより 山ふかし ・若楓 清き流れの 箕面 川 ・石垣に ひそむ葉月 叢しぐれ ・せせらぎに 上がる滝みち 散紅葉 ・若水を 音高く汲む なげつるべ ・残りしは ひろき青空 渡り鳥 ・風匂う さざなみゆれる 若菜畑 ・末枯れを 行く先向に 夕日落つ ・杜ふかく 蜩のこえ ほしいまま ・日を探す 木陰の草や 水ぬるむ ・大楠は 冬木となるも 天支え ・突きぬける 青き箕面の 瀧に天 ・つややかに 平らの石へ 若葉影 ・七色の 光微塵に 瀧しぶき ・初鏡 庭の小松に さざめ雪 |
阿波野青畝の句碑 (牧落八幡太神社境内) ・新緑の句碑も神慮の一つとす
|
子葉大高源吾が涓泉萱野三平を訪ねた時 桜塚の西吟の家にて ・裏枯れや 餅にとどまる さくら塚 子葉 萱野三平の家にて ・壁に這う 木綿の虫の もみじ哉 子葉 三平の返し句 ・秋風や 隠元豆の 杖のあとに 涓泉 |
萱野三平、母の百ケ日追悼の句 ・みじかよや 百の夢路を かちはだし |
萱野三平の辞世の句 (涓泉亭内の句碑) ・晴れゆくや 日ごろ心の 花曇り |